お知らせ | 那覇天久新都心接骨院

なぜ筋肉が硬いと痛みが出てしまうのか?

はじめに 
 
「なぜ筋肉が硬くなると痛みが出るの?」これは当院でもよく患者様からいただく質問です。肩こりや腰痛、首の痛みなど、多くの症状の背景には筋肉の硬さ(筋硬結)があります。今回は、筋肉が硬くなるメカニズムと痛みが発生する理由についてお伝えします!

筋硬結とは何か?

筋硬結(きんこうけつ)とは、筋肉内部の筋繊維が持続的に収縮することで、コリコリとした硬い塊のような状態になることです。触診すると、周りの筋肉と比較して明らかに硬く、独特の感触があります。これは単なる筋肉の疲労とは異なり、筋肉が正常な状態に戻りにくくなった状態を指します。

筋硬結の特徴として、以下のような症状が挙げられます: 
 ・触ると硬いしこりやコリのような感触がある 
・押すと強い痛みを感じる 
・血液やリンパ液の循環が悪化している 
・疲労物質が蓄積している状態

筋肉が硬くなる生理学的メカニズム

1. 筋紡錘による防御反応 
筋肉には「筋紡錘」という感覚器官があり、まるで自動車のシートベルトのような働きをします。シートベルトがゆっくり引っ張ると伸びるが、勢いよく引っ張るとロックがかかるように、筋肉も急激な負荷がかかると反射的に収縮して自分を守ろうとします。 
筋紡錘は筋肉の伸び縮みを感知し、「過剰に伸ばされた」と感じると脊髄に信号を送ります。すると脊髄から筋肉に収縮命令が送られ、筋肉が縮んで損傷を防ぐのです。これを「伸張反射」と呼びます。 
 
2. 筋肉のロック状態
問題は、この防御反応によって収縮した筋肉が、時として元の状態に戻らなくなることです。負荷の強さや持続時間、その他の条件によって、筋肉が拘縮(こうしゅく)状態、つまり「ロック」された状態になってしまいます。 
この状態になると、通常のマッサージやストレッチでは筋肉を元に戻すことが困難になります。シートベルトがロックされたまま外せなくなった状態と似ています 。

痛みが発生するメカニズム

1. 血流障害による酸素不足 
 筋肉が硬く収縮した状態が続くと、以下のような悪循環が生まれます: 
正常な筋肉 → 過度のストレス → 筋紡錘の働きで収縮 → 拘縮状態 → 血流悪化 → 酸素不足 → 痛み発生 
 
拘縮した筋肉は血管を圧迫し、血液の流れを阻害します。これにより筋肉組織への酸素供給が不足し、筋肉の細胞が「酸素が足りない!」という危険信号を脳に送ります。脳がこの信号を「痛み」として認識するのです。 
 
2. 発痛物質の蓄積 
血流が悪化すると、筋肉内で以下のような変化が起こります: 
・疲労物質の蓄積:乳酸、カリウムイオンなどが溜まる 
・発痛物質の生成:ブラジキニン、ヒスタミン、プロスタグランジン、セロトニンなどが過剰に蓄積 
・老廃物の停滞:本来なら血流で運び去られるべき物質が留まる 

これらの物質が筋肉の神経を刺激することで、「コリ」や「痛み」を感じるようになります。 

3. 炎症反応の発生 
筋硬結の部位では、組織の修復を図ろうとして炎症反応が生じます。この過程で炎症性物質が生成され、さらに痛みを増強させる要因となります。特に運動による筋繊維の損傷修復時には、この炎症反応が顕著に現れます。

筋硬結が引き起こす症状の特徴 

トリガーポイント現象 
筋硬結の中でも特に「トリガーポイント」と呼ばれる部位があります。これは、押すと独特の激しい痛みを起こし、さらに離れた部位にも関連痛を引き起こす特殊な点です。 
例えば: 
・肩のトリガーポイントが腕の痛みを引き起こす 
・腰部のトリガーポイントが脚の痛みやしびれを引き起こす 
・首のトリガーポイントが頭痛を引き起こす 

慢性化のメカニズム

筋硬結による痛みは、以下のような悪循環により慢性化しやすくなります: 
筋硬結 → 血流悪化 → 酸素・栄養不足 → 発痛物質蓄積 → 痛み増強 → 筋緊張増加 → さらなる筋硬結 
この循環を断ち切らない限り、症状は改善しにくくなります。

まとめ

筋肉の硬さと痛みの関係は、単純な疲労の蓄積ではなく、筋紡錘による防御反応から始まる複雑な生理学的メカニズムによるものです。血流障害、酸素不足、発痛物質の蓄積といった要因が重なり合い、慢性的な痛みへと発展していきます。 

重要なのは、この悪循環を早期に断ち切ることです。「ただの肩こり」「いつものことだから」と軽視せず、適切な治療を受けることで、根本的な改善を図ることができます。 
当院では、患者様一人ひとりの症状に合わせた治療計画を立て、痛みの改善だけでなく「痛みを繰り返さない身体づくり」を目指しています。筋肉の硬さや痛みでお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください!